知っていそうで知られていない【マグロ】のひみつ

2021.12.24

東京・豊洲(江東区)の東京中央卸売市場で行われるクロマグロの「初競り」は毎年注目されています。
2021年、今年のクロマグロの最高値は青森県の大間港で水揚げされた重さ208.4キロの本マグロで、2084万円で競り落とされました。これまでの最高値は2019年の3億3360万円でした。

泳ぎ続けるマグロの習性からできた漢字。
「有」という字には、「外側を囲む」という意味があることから、囲むように広い範囲を回遊するという意味からつけられたという説があります。

どうして「マグロ」と呼ばれるようになったのでしょう?

① 目が黒い ➡ 「眼黒」から「マグロ」

② 水面に真っ黒な魚が泳いでいるように見えることから、体が黒いという意味で「マグロ」

③ 常温で時間が経つと真っ黒になるから 「まっくろ」 ➡ 「まくろ」 ➡ 「まぐろ」

マグロといっても、いろいろなマグロがいるのをご存じですか?

クロマグロ

別名、本マグロ

ミナミマグロ

別名、インドマグロ

メバチマグロ

流通量が最も多い手頃なマグロ

キハダマグロ

ツナ缶の原料になるマグロの一種

ビンナガマグロ

ツナ缶や回転寿司で使用される

マグロといってもいろいろな種類のマグロがいるので、お魚屋さんに行かれた際に、このマグロは何マグロかな?と見てみて下さい。

生のマグロと冷凍のマグロがあれば、どちらを買いますか?

生マグロ と 冷凍マグロ の違い

「近海ものの生が最高」と言われていますが、近海で生のすべてが美味しいわけではありませ ん。脂の乗りは個体一本ごとに異なり、船上での処理の仕方や、帰港するまでにかかる時間などでも質が変わってしまいます。
一方冷凍ものは、釣った後直ちに〆られ、そのまま船上で急速冷凍されます。船には零下 50~ 60 度の超低温冷凍庫が備えられており、漁獲直後の鮮度がずっと保たれています。
イメージ的には生マグロが美味しいイメージがありますが、冷凍マグロも美味しいので、両方食べ比べてみて下さい。

天然マグロと養殖マグロ

天然のマグロは、イカやサンマを餌にしているから、養殖マグロに比べて食べた時のコクや旨味が強いのが特徴です。一方、養殖のマグロは、イワシ、サバ、アジなどの脂ののりを重視した魚をエサとして与え人工的に大きく育てているので、赤身部分が少なくなり、脂身が多いトロ部分 がたくさん取れます。マグロ本来の味は薄いので天然マグロを食べ慣れている人には、養殖マグ ロの味はくどいと感じるかも知れませんが、好みによって買い分けるのも方法です。

スジが苦手なのでトロよりも赤身が好みの方

天然マグロ
・・・大海原を回遊するため筋肉量が多く、筋肉を支える筋膜がしっかりしている

この【筋膜】がスジなのです。

スジの主成分は、コラーゲン、タンパク質です。

スジが多いマグロは、刺身には向きませんが、加熱調理するとスジに含まれるコラーゲンが溶け出し、料理の旨味が増します。

マグロの部位

ほほ肉やカマなどの珍しい部位も美味しいですよ。それらは加熱調理がおススメです。

鉄火丼、鉄火巻きの“鉄火”って何?

マグロの鉄火丼や鉄火巻きに使われている「鉄火」の意味は知っていますでしょうか?
「鉄火」とは、真っ赤に熱くなった鉄の色の事を意味していますので、鉄火丼、鉄火巻きにのるマグロは赤身なのです。鉄火巻きと呼ばれるようになったのは、昔の博打場のことを鉄火場と呼 んでいたことからきています。博打場は鉄火(熱くなった鉄のように気性が荒いという意)という人々が集まるために鉄火場と呼ばれるようになりました。
鉄火場で博打をしている人たちは食事をしている時間も惜しんで賭け事を続けています。巻物であれば、賭け事をしながら手軽に食べることができ、海苔で巻かれているので手を汚すこともありません。
もともとはキュウリを巻いたかっぱ巻きやかんぴょう巻きを食べていましたが、マグロの切れ端にワサビを混ぜて巻物にしてみたらスグに人気となり、鉄火場でつくられた巻物で鉄火巻きと呼ばれるようになりました。

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