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ケンサキイカ(剣先烏賊)を選ぶ
夏を代表するイカ
ケンサキイカは春から夏にかけて産卵の為、水深20mから40m程の浅い内湾に近寄ってきます。ケンサキイカは7月~9月の夏のイカとして知られていますが、子持ちの煮付けにするなら5月~6月が良いです。スルメイカに比べると柔らかくて上品な味をしていますので、ケンサキイカで作るスルメを「一番スルメ」と呼び、スルメイカで作るスルメを「二番スルメ」といいます。旨みをイカの中で多く含んでいるイカですので刺身に向いていますが、焼いても煮ても身が硬くならず美味しいので、色々な料理に活かせます。
色は白ではなく、赤のケンサキイカを選ぶ
エンペラの透明度をチェックします。また、目は黒々としているものほど新鮮です。胴体は時間の経過とともに内臓ごと潰れてきますので、膨らみのあるものが新鮮です。身に透明感があり、色は赤色のものを選びます。獲れたばかりは半透感の白ですが、少し時間が経つと表皮の色が赤色になり、鮮度が落ちてくると透明感のない白になります。イカは白というイメージがありますが、スーパーや魚屋さんで買う場合は、赤い色をしたケンサキイカを買うようにしましょう。
年間数十万人がイカの活造りを求めに来る佐賀・呼子
ケンサキイカは日本各地で漁獲されて、関東ではアカイカ、山陰地方ではシロイカ、マイカ等の別名がある。山口県長門市仙崎では「仙崎イカ」、下関市の特牛(こっとい)では「特牛イカ」等と呼ばれ、ブランドイカとなっています。特に玄界灘はケンサキイカの産地として知られ、中でも佐賀の呼子は「ヤリイカ」と呼ばれ、活造りで有名です。昭和40年代に呼子のとある料理店で始まった活造りが、大きな話題を呼び、今では、年間で数十万人がイカの活造りを求め呼子に訪れています。
ケンサキイカ(剣先烏賊)のおいしい食べ方
甘みが強く、適度な歯ごたえとまったりした柔らかさのイカ
ケンサキイカは、アオリイカ、ヤリイカとともに高級なイカの部類に入ります。刺身、焼き物、干物、煮付けなど、幅広い料理に合いますが、上品な甘みと旨味が口に広がる刺身が一番のおススメです。熱を通しても硬くならないので、ゲソは炒め物に最適です。
ケンサキイカとヤリイカは似ていますが、10本の足のうち、2本が太く大きいのがケンサキイカの特徴です。
ケンサキイカは先端が剣のようになっており、ヤリイカは先端が槍のように尖っているのが区別をするポイントです。
呼子漁港のあちらこちらでは、朝荷揚げされたばかりのイカが潮風に中、天日で干されています。噛むほどに甘味のある呼子のイカの旨みをたっぷりと味わえます。
「イカの町」呼子では、イカの形をした客室とデッキのあるユニークな遊覧船「七ツ釜遊覧船イカ丸」で神秘の洞窟・七ツ釜を探検できます。
ケンサキイカ(剣先烏賊)の豆知識
「春、ホタルイカ。初夏にアオリで、夏ケンサキ。秋冬墨イカでまた来年」
イカは世界で約450種類、日本においてもなんと140もの種が生息すると言われています。日本各地で様々なイカが漁獲されるのに、佐賀県呼子のイカは特に有名です。また年間数十万人がイカの活造りを求めにやってきます。どうして呼子に人が集まるのか?
イカは温度変化に弱い生き物で、釣り上げた瞬間からすぐに鮮度が落ちてしまいます。鮮度が命の活造りを出すにあたって、呼子ではある秘密があります。それは漁獲したイカを漁港に持って帰るのではなく、生け簀に放流します。この生け簀は飲食店が運営する生け簀で、玄海灘から直接海水を引いており、生簀の海水を常に新鮮にしています。イカは市場に卸してセリにかけると、イカを生きたまま卸せません。そのため、呼子のイカ漁師たちはそれぞれが契約した飲食店に直接イカを卸すようにしています。
また飲食店でも調理をする際、まな板の上には海水が流れています。イカは手で触ると人間の体温でヤケドをしてしまいます。そのことでイカの触感やうまみが変わってしまうことを防いでいます。真水でもやはり変わってしまうので真水は使用しません。このようにしてイカの旨味を壊さず獲れたての状態で活造りを提供できることが呼子の強みとなっているのです。