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カジキ(梶木)を選ぶ
メカジキ、マカジキを選ぶポイント
スーパーで売られている主なカジキは、メカジキやマカジキです。一匹そのままで買う人は少ないと思いますので、切り身を選ぶポイントです。メカジキは白っぽいピンク色で、ツヤがよいものを選びましょう。張りがあるかどうかを見ます。冷凍・解凍物でも同じですが、黄褐色かかっているのは、鮮度が落ちている証拠です。血合いが付いている物は、血合いが赤い物を選んで下さい。マカジキの切り身は赤色でツヤがあり、本マグロの赤みよりも朱色かかった薄紅色のものがよいです。塩焼きやソテーなど、加熱調理されることが多いため、脂がのった魚を選ぶとよいですよ。
カジキとは
一般的にカジキマグロと呼ばれていますが、マグロとは別種です。世界に13種類いて、日本近海には、メカジキ、マカジキ、クロカジキ、シロカジキ、バショウカジキ、フウライカジキの6種類がいます。カジキ類の中で、最も美味とされるのがマカジキで、薄紅色の身は桜に例えられることもあります。カジキという名前自体は、 長く伸びる「吻」で「舵木(かじき)」と呼ばれる船の舵をとる板を突き通すことで「舵木通し」と呼ばれることからです。カツオを襲うことから「カツオクイ」とも呼ばれる種類もいます。
「二の切れ」は通の味
カジキの部位は頭の下の方からおよそ30センチ間隔で「一の切れ」「二の切れ」と呼ばれ、尾の部分の「五の切れ」まであります。部位によって味が異なりますので、「二の切れ」に人気があります。また数パーセントほどしか取れない腹身は脂が乗り、「メカジキハラミ(メカジキのトロ身」と呼ばれまったりした味わいは通の好む味です。日本の店頭では冷凍のメカジキの切り身はよく見かけますが、マカジキはたまにしか見ません。実はマカジキは高級品なのです。新鮮なマカジキを刺身で食べるととろけるようにおいしいですよ。
カジキ(梶木)のおいしい食べ方
火を通しすぎるとパサつきますのでサッと火を通すように
メカジキは照り焼き、煮付け、フライ、ステーキ、バターソテー、漬け焼き等々いろいろな食べ方があります。脂のよく乗ったメカジキはとても柔らかいので、軽く塩を振り少々身を締めてから調理しましょう。
漁業市場では吻(ふん)を切り落とされたカジキが横たわった状態で並べられている姿を見ることが出来ます。
メカジキの身。脂が均等に混在しているために白濁した身です。血合いにクセがなく、まったりした味わいです。一般的にスーパーなどでよく見かけるカジキはこれです。
メカジキをソテーする時は、強火でさっと焼き色を付ける必要があります。そうすることでメカジキがしっとりちょうど良い状態で仕上がります。
沖縄・読谷村漁港にて。大型種では全長4 m 以上・体重700 ㎏ に達し、小型種でも成熟すると全長1mを超えます。
カジキ(梶木)の豆知識
泳ぐスピードの速さはギネスブック認定
ノーベル文学賞を受賞した米国の作家、アーネスト・ヘミングウェイの小説「老人と海」では、孤高の老漁師とカジキが3日間もの死闘を繰り広げます。日本でも縄文時代の遺跡からカジキの骨が出土し、モリを使用しカジキを獲っていたことが分かりました。カジキ類はとても速く泳ぐことが出来、種によっては時速100km 以上のスピードで泳ぐことができると言われています。バショウカジキのトップスピードなら、25m プールを1 秒以内で泳ぐことが出来るスピードです。水中で最も速く泳ぐことのできる動物として、ギネスブックにも記載されています。
カジキ特徴である頭にある剣のような長いツノのような鼻のようなものは、「吻(ふん)」と呼ばれる部分が長く伸びたものです。「吻」というのは、脊椎動物で目の下から口あたりまでの飛び出した部分を指します。人間なら「鼻」にあたる部分になります。カジキの剣のような「吻」の部分は上アゴになります。カジキはこの吻を振り回して、エサになる魚を気絶させてから食べています。また大きなサメなどと戦うときにも使ったり、人間に釣り上げられそうになると、この吻で果敢に船に向かって襲いかかってくる時もあります。カジキは針にかかったときの引きとジャンプが釣り人を魅了しており、スポーツフィッシングの対象魚となっています。