サンマ(秋刀魚)

2024.02.29

旬: 9月~10月
主産地: 北海道、宮城県、岩手県

サンマ(秋刀魚)を選ぶ

目と腹のチェック、丸々太ったサンマはおいしい

目は腹と同様に腐りやすいので、目が白く濁っているもの、赤くなっているものは避けましょう。目に張りがなく目が陥没しているものも鮮度は良くありません。お腹を触ってみて弾力がない場合、内臓の腐敗が既に進んでいる可能性があります。パッと見て、丸々と太ったサンマを選ぶようにしましょう。脂が乗っているかどうかは、頭から背中の部分が盛り上がっているかどうかです。サンマは晩秋にもっとも脂が乗り美味となります。脂肪分は8月に10%,10月に20%と増え、産卵後は5%に落ちます。

下あご、尾ひれの付け根辺りに黄色の印があるかチェック

サンマの下あごの先端が黄色くなっているものは鮮度が良い証拠です。サンマは鮮度が落ちてくると、この下あごの先端が黄色から茶色に変化してきます。もう一つ、色で判断できるポイントとして、尾ひれの付け根辺りが黄色かどうかをチェックしてください。尾ひれの付け根辺りが黄色くなっているものは、脂が乗っていて美味しいといわれています。※根室沖で獲れたサンマはみんな下あごの先端が黄色とも言われていますので、色だけで判断せずに目や腹など総合的に判断しましょう。

スーパーなどでパックに入っている場合

サンマがパックに入っている場合、肛門が開いているもの、肛門から汁の垂れているものは内臓がすでに腐敗している可能性が高いので避けるようにしましょう。出来るだけ切っていないサンマを買うようにしましょう。切断していたり、開きにしている場合、切った断面が酸化して一気に味が落ちます。他にも、水に浸かって売られている場合、水が茶色く濁っていないものを買うようにしましょう。

サンマのおいしい食べ方

新鮮なものは刺身、塩焼きでは内臓も食べることができます

サンマといえば塩焼きのイメージがとても強いのですが、鮮度の良いサンマは刺身にすると塩焼きとは別のサンマの美味しさが楽しめます。サンマは消化器官が短いため、餌を食べてから排出する間での時間が30分程しかなく、腹の中に不純物をほとんどためていません。そのため、焼き魚にすると内臓も美味しく食べられます。塩焼きの場合、焼く15分前に塩を振りましょう。それ以下だと臭みがとれず、それ以上だと余計な水分まで出てしまい、塩気が強くなります。酢を振りかけることでたんぱく質が固まり旨味をギュッと閉じ込めることができ、また10倍に薄めたみりんを焼く前にさっと表面に塗るとお店で食べるような綺麗に色付いた焼きあがりになります。9月頃の出始めの物と10月半ばあたりの物とでは脂の乗りがかなり違うので、料理する際には注意が必要です。

炭火は遠火の強火が基本。炭に脂が落ちると炎があがりますが、炎で焼くと焼きムラができるので、脂が落ちないようサンマを傾け遠赤外線効果で焼きます。

産地ならではの味覚とされていましたが、流通方法の発達により、産地以外でも新鮮な刺身を食べることが出来るようになりました。基本的にわさびではなくしょうがで食べます。

サンマは脂の多い魚なので、大根おろしを添えると、大根に含まれている酵素が胃の消化吸収をサポートし、苦みや発ガン物質を抑える作用があります。 美味しいだけでなく、体にも良い組み合わせです。

グリルで焼く場合、グリルの受け皿に『備長炭』など、吸煙材を敷き詰めると煙や匂いがあまり出ないうえ、下からも熱が出るので焼き上がりが良くなります。

サンマの豆知識

サンマにはウロコがない?

「秋刀魚」という漢字の由来が、「秋が旬の刀のような魚」という意味を表わしていることは有名ですが、サンマは、もともと「細い魚のおかず」という意味の「狭真魚(さまな)」と呼ばれていて、それが訛って「サンマ」になった、という説が有力だと言われています。「秋刀魚」という漢字が使われ始めたのは1898年頃で、それ以前は「三摩」と表記され夏目漱石は「吾輩は猫である」の中で当て字の「三馬」と記しています。新鮮なサンマを手に取って見ることができるのであれば、頭を握ってサンマの垂れ具合なんかをみるのも良いです。弱っていると、だらんと下に垂れますが、新鮮だとピンと伸びたようになります。まさに「刀」のようです。

店頭に並んでいるサンマにははじめからウロコが無くつるっとした状態になっていますが、サンマにも本来ウロコがあることをご存じですか? サンマが生きて泳いでいるときには綺麗なウロコがちゃんとついていますが、サンマのウロコは薄くはがれやすく、漁獲される時に網の中で大量のサンマ同士がこすれあいウロコがほとんどはがれてしまいます。もし店頭でウロコのあるサンマがいたらスグに買いましょう。

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