知っているかどうかで、野菜や果物の保存が上手くなる <エチレンガス>
2025.01.01
リンゴから出るエチレンガスの成分を利用して、バナナやキウイフルーツを追熟したりすることはよく知られています。エチレンガスの影響で、想定よりも早く野菜や果物が劣化することも。一方、エチレンガスの影響を受けやすい野菜や果物があることは知っていましたか?
リンゴを冷蔵庫で保存する場合、【ポリ袋に入れるなど必ず密封した状態で保存】というのは、だいぶ知られてきているかな?と思います。(理想は1つ1つ新聞紙に包み、ポリ袋に入れ密封して冷蔵庫の野菜室で保存。理由/低温で、高湿度に保つのがポイント)
リンゴをポリ袋に入れるのは、エチレンガスをたくさん放出するので、他の果物や野菜と一緒に保存するとそれらの成熟を促してしまう(傷みが早くなってしまう)ことからです。
「エチレンガス」とは?
エチレンガスは、植物が自然に生成するホルモンの一種で、自らの熟成を促す働きがあります。リンゴが赤くなったり、バナナが柔らかくなるのはこのエチレンガスのおかげです。熟成させすぎると劣化に繋がり、やがて腐敗します。周囲の野菜や果物にも影響するためエチレンガスを発生させる果物や野菜の保管には注意が必要です。
「エチレンガス」を出しやすい野菜・果物
リンゴ、梨、アボカド、メロン、桃、パッションフルーツ、洋梨、トマトなど
「エチレンガス」の影響を受けやすい野菜(少量のエチレンガスでも老化が促進されやすいもの)
リンゴ、梨、アボカド、バナナ、キウイフルーツ、マンゴー、メロン、桃、洋梨、柿、ブロッコリー、カリフラワー、キュウリ、レタス、トマトなど
対処方法
エチレンガスを出しやすい野菜・果物は保存の際に、ポリ袋に入れ個別包装するなどして直接一緒に保存しないことです。また、最近枝豆によく使用されていますが、『「P-プラス」(住友ベークライト株式会社)』という鮮度保持フィルムが発売されているので、より鮮度を保つことが出来ます。また、東芝や日立のように冷蔵庫(野菜室)に触媒技術を使用して野菜の鮮度を保持する機能の付いているものもあります。
ちなみに ゴミ袋やレジ袋など「ビニール袋」という場合がありますが、現在ビニール製のものはほとんど出回っておらず、ほぼポリエチレン製の「ポリ袋」です。