目次
スイカを選ぶ
シマ模様をチェック
スイカの美味しい基準は何と言ってもシマ模様のハッキリ感です。シマの境目がハッキリしていればいるほど甘いです。表面を触ってみてください。シマ模様のある部分とない部分で、凹凸があるのが分かります。この凹凸がはっきりしているスイカは熟し甘味が強いスイカの傾向があります。
シマ模様が雷のようにうねっているものもおススメです。 ※品種によっても異なる場合があります。
逆に、収穫して時間が経つと、スイカの表面のツヤが薄れ、縞模様もボンヤリしてきます。
お尻のへその部分をチェック
スイカのお尻にあるへそは、熟すにつれて大きくなります。小さすぎるものは未熟な可能性があります。5円玉くらいの大きさがおススメです。
糖度を確認する場合、スイカ上部のツルの周囲部分をチェック
スイカは収穫されるとその時点で成長が止まり追熟はしないので、買う時に甘さを見極める必要があります。スイカの甘さを見る場合は、スイカの上部にあるツルの付け根部分のへこみ具合を確認します。付け根の部分が少しくぼみ、その周りが盛り上がっています。へこんでいないのは未熟なスイカです。
ツルが付いている場合は、ツルが緑色の物にしましょう。(緑の物は少し前までツルが付いていた証拠です) 茶色っぽくなると、収穫してから時間が経っているものだということが分かります。
スイカを保存する
スイカは追熟せず劣化が早いので、買ったら出来る限り早めに食べましょう
丸まま冷蔵庫に入れる場合は、食べる2時間ほど前に冷蔵庫へ入れるようにしましょう。スイカは冷やし過ぎると甘味が半減し美味しくなくなってしまいます。丸のままのスイカは風通しが良く、比較的涼しいところに置いておきましょう。暑さで中身が腐敗するとガスが溜まり破裂する場合もあります。
カットされたスイカは傷みが早いので切り口をしっかりとラップで包み冷蔵庫に入れ早めに食べましょう。スイカは8℃から10℃が最も美味しく感じる温度だそうです。
黄色スイカ、クリームスイカとも呼ばれる。贈答用として人気のスイカ。
切り口がみずみずしく、種が黒いものを選びましょう。
スイカの1番甘い部分は、球体の中心にありますので、その部分も均等に切り、すべての切ったスイカに甘い部分があるようにします。
ナイフ1本で彫るフルーツ&ベジタブルカービング。
スイカの豆知識
ポンポンと叩いて見極めるのは・・・
スイカは昔から手のひらで叩いて、その音で食べ頃を見極めると伝えられてきました。昔は甘さよりも熟し度が重視されていたからです。完熟したスイカは叩くとボンボンと低い音で響きます。逆にこれが未熟だとポンポンと高い音がし、果肉はシャキっと歯ごたえのあるものが多いとのことです。ボタボタという音の場合は、熟しすぎている音で、果肉はやわらかいものが多いとのことです。素人ではなかなか聞き分けるのは至難の業らしいです。
スイカは美味しいだけではなく、栄養としても夏にピッタリです。スイカに含まれるシトルリンやカリウムは血液の流れを改善し、余分な老廃物や塩分を排出しますので、むくみとりとして効果があるだけでなく、血管を若返らせる働きがあります。リコピンには抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にもなります。種にはビタミンEやリノール酸などの抗酸化物質が含まれているので、中国では茶菓子として親しまれています。
スイカは天ぷらとの食べ合わせが良くないという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。それは天ぷらから油を摂ることと、スイカから水分を摂ることが原因となって、油を消化している時にスイカの水分で胃液が薄まってしまい、胃腸に負担をかけやすくなるからです。食べ過ぎには注意しましょう。
原産地はアフリカ
スイカの祖先は、アフリカの砂漠に育つカラハリスイカといわれています。2500万年以上前に誕生して、種は黒、果肉は白、甘くなく、硬くて苦いスイカだったといわれています。
カラハリスイカの種がギリシャ、ローマに伝わり地中海沿岸で栽培され、品種改良を重ね、果物としてのスイカになり世界に広まりました。
その後ヨーロッパ、イギリス、アメリカ、インド、東南アジアに伝わり11世紀には中国に広まりました。中国へは中国から見て西側のウイグルから伝わってきたため、「西から来た瓜」ということで「西瓜」という漢字が当てられました。
ちなみにカボチャは、南蛮から伝わってきたため「南蛮から来た瓜」ということで「南瓜」となりました。
スイカの縞模様
もともとスイカは現在のような目立つ縞模様ではなく、黒っぽい地味な外見だったといわれています。アフリカの砂漠地帯に自生していたスイカは、種の存続のために、砂漠よりも水のある地域に種を運んでもらうため、スイカ自らが特徴的な模様になったという説があります。目立つようになることで鳥にも食べられ、スイカの種を食べた鳥が遠くの場所で種子をフンとして排出することで、また新たな芽が出て種の存続が出来ます。
より多く鳥や動物にスイカ食べてもらえるように、スイカの中心部は甘くなっています。
砂漠で生活する鳥や動物に、スイカの水分と糖分は非常に魅力的なので、お互いの思惑が一致したといわれています。
スイカの種
スイカの種にはリノール酸、ビタミンB、E、鉄、亜鉛、銅などが豊富に含まれており、とても栄養豊富です。中国では漢方として使用されており、滋養強壮やのどの痛みの緩和、解熱・鎮静作用、止血にも良いとされています。一般家庭でも種を煎って食べる文化があるくらい一般的な食材となっています。
カットされているスイカを選ぶポイント
完熟サインを見逃さないようにしましょう。
①果肉(赤い部分)と皮(白い部分)の境界線がはっきりしているもの。完熟すると境界線がはっきりします。
②種が黒いもの。完熟すると種は黒くなります。
③中が少しヒビ割れているもの。完熟したスイカはカットするとはじけるように実が割れます。
カットしたスイカは乾燥しないようにラップをして、冷蔵庫で冷やしますが、冷やし過ぎは美味しさが失われてしまうので冷蔵庫の野菜室で保存し、早めに食べます。
※種に白いものが多い → 甘みが強いこともあります。スイカは種(しゅ)を残すため種(たね)に栄養を集中させます。白い種は発育しなかった種なので、本来、その白い種が黒くなるために栄養を使用すべきところ、栄養を使わなかった分、果実に栄養が残っています。栄養=糖なので、白い種が多いスイカが甘いということもあります。
スイカの果肉に黄色いスジがある
この黄色いスジは、「黄帯果(こうたいか)」と呼ばれます。
栽培環境が、気温が高すぎたり、乾燥が続いたりした場合に生理現象として出ることが多いです。
糖度が低い部分ですが、気になる場合はその部分を切り落としましょう。
いろいろなスイカ
大玉スイカ
一般的なスイカ。縞皮で果肉が赤色のものがほとんどです。「縞王」「富士光」「瑞祥」「祭ばやし」「金輝」などの品種があります。果肉にシャリ感があり、甘みに富んでいます。
小玉スイカ
外見は大玉と変わりませんが、冷蔵庫に入れやすい小型です。皮が薄くて可食部も多く、果肉は色鮮やかで、甘みがあります。「紅小玉」「黒小玉」「ひとりじめ」「姫甘泉」などの品種があります。
黒美人
皮の色がとても濃く、黒がかって見えます。大きさは「姫まくら」や「マダーボール」などと同じくらいです。シャリ感のある肉質です。高知県では、黒美人の中でも糖度が12度以上のものを「はちきん」というブランド名で出荷されています。
黒皮すいか
果皮がほとんど黒に近く、果肉は赤い。品種は「タヒチ」が有名。「ブラックジャック(山形)」 「でんすけすいか(北海道)」「ダイナマイトスイカ(北海道)」はブランドスイカとして認知されています。
サマーオレンジ
【サマーオレンジ】
サマーオレンジは、果肉がオレンジ色のスイカです。一般的な赤い果肉のスイカは「リコピン」が含まれているので赤色、オレンジ色の果肉のスイカには、βカロチンが含まれているのでオレンジ色です。シャリシャリ感が強く、多汁でさっぱりとした甘さです。
ピノ・ガール
【ピノ・ガール】小玉スイカ
先日の茨城視察でJA北つくばさんにいただいた小玉西瓜「ピノ・ガール」。なんと種が、従来の小玉西瓜と比較して約 1/4のサイズ になっています。種の殻が薄く、種を食べてみても、苦味が無く食べても気にならないです。果肉も甘く、シャリ感もあり美味しかったです
金色羅皇
【金色羅皇(こんじきらおう)】 熊本産
抜群のシャリシャリ感で甘いです。真ん中の糖度は13度近くありました!種は黒ではなく赤っぽい色をしています。
産地視察
2020年6月20日
JA北つくばさんに案内頂き、茨城県筑西市に「こだまスイカ」 と「黒こだまスイカ」 の見学をしました。こだまスイカは冷蔵庫に入る大きさを目的に品種改良されたスイカです。
皮が薄く、シャリシャリとした食感で、大玉スイカよりも糖度が高く、皮のギリギリまで甘いのが特徴です。「紅の誘惑(こだまスイカ)」と「誘惑のひとみ(黒こだまスイカ)」はブランドスイカとして有名です。
みなと流スイカの切り方 使用スイカは「でんすけすいか」
1.最初にスイカの上下を1㎝切り落とします
- スイカにある黒の縞模様に対して並行に切るのではなく、垂直に包丁を入れます。
- スイカの断面をよく見ると、中心から外側に向かって繊維が伸び、真ん中あたりでくるんとヒゲのように巻いた繊維の管のようなもの(維管束)があります。
4.スイカの種は維管束のまわりに12列に規則的に並んでいるため、維管束に向かうように包丁を入れ12等分を目安に切ると、表面に種が集まり、取りやすくなります。
- 一般的なスイカのタネの列は、12列あるので、12等分します。
- スイカの1番甘い部分は、球体の中心にありますので、その部分も均等に切り、すべての切ったスイカに甘い部分があるようにします。
皮に多く含まれる栄養
スイカは体温を下げたり、むくみをとったりする栄養があることで有名ですが、それは多くは皮に含まれています。むくみをとる栄養はシトルリンといいます。シトルリンは利尿作用があり、老廃物も排出するのでむくみもとります。スイカの皮の白い部分には、果肉の2倍もの量のシトルリンが含まれています。一番外側の皮をピーラーで引いて、塩もみやぬか漬けなどで食べると美味しいですよ。
ちなみに、スイカの名の由来は、中国では西から伝わったので西瓜(シィグァ)と呼んでいました。 それが日本にそのまま伝えられ、転じて〈スイカ〉となったといわれています。
日本へ伝わった時期については諸説があります。安土桃山時代(1560年代)にポルトガル人が持ち込んだという説。また、17世紀中期に隠元禅師が中国から持ち帰ったといわれる説があります。
現在のスイカは、緑に濃緑のシマ模様が一般的ですが、こうした品種が広まったのは、昭和初期以降で、それまでは黒皮が一般的で、「鉄カブト」とも呼ばれていたそうです。
江戸時代には果肉が赤いのは(切腹をイメージするので)気味が悪いとされ、あまり食べられなかったと言われています。
ルナピエナ
立体栽培(空中立体栽培)によって栽培されている高知県夜須町のスイカ
JA松本ハイランドすいか
長野県のほぼ中央、標高600~800mの準高冷地に広がる火山灰土の地域で生産されているスイカです。
昼夜の温度差と日照量があり、スイカ栽培に最適な土地で育てられたスイカはシャリシャリが強い美味しいスイカです。