目次
カブを選ぶ
鮮度は葉の付け根の部分を見て確認しよう
大きすぎても小さすぎてもダメで、卵より少し大きい位のサイズのものが良いです。皮が白くて張りがあり、つややかなものが新鮮です。根の色が真っ白か、赤カブなどの場合は鮮やかな紅色をしていて、艶がある物を選びましょう。葉が活き活きとした緑で、シャキッとしている物。葉の付け根の部分を見ると鮮度が分かりますので、必ずチェックしましょう。
関ケ原を境に作られている種類が違う
日本では最も古い歴史をもつ野菜のひとつで、弥生時代に大陸から伝わったといわれており、日本書紀にカブが記されています。日本全国それぞれの土地や気候にあった品種が生まれ、現在では80品種以上が栽培されています。品種はおおまかに関ヶ原を境に、東と西とでは系統の違うものがつくられています。東日本には耐寒性のある西洋型の小型のものが多く、西日本では東洋型の中型から大型のものが多く栽培されています。
カブは「すずな」?それとも「すずしろ」?
春の七草の「すずな」はカブのことです。カブの形が鈴に似ていることからそう呼ばれるようになりました。「すずしろ」はダイコン。カブの代用になるという意味から名前がついたという説もあります。カブの名前の由来は、“かぶり”という事からきていると言われ、かぶりとは、“頭の事”をさします。“かぶりもの”や“かぶと”などで使われています。カブの根の部分が頭の様な形に見える事からと言われています。
カブを保存する
買ったらすぐに葉と根を切り分ける
カブは大根などと同じように、葉がついたままだと葉に水分を奪われ、スが入る原因にもなりますので、すぐに葉と根を切り分け、それぞれ乾燥しないように保存します。根の部分は新聞紙で包むかポリ袋に入れるなどして冷蔵庫の野菜室へ。葉は水分を逃がさないようラップで包むかポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。カブは根の部分が淡色野菜、葉の部分が緑黄色野菜です。葉は根よりも栄養がはるかに豊富で、特にβ-カロテン、ビタミンC、カルシウムやカリウムを多く含んでいますので、葉も食べるようにしましょう。
上記では分かりやすいように葉と“根”という表記をしていますが、実は“根”だと思っている部分は正確には“茎”です。私たちは“茎”の部分を食べています。
「あやめ雪」
上の部分が薄い紫色で下の部分が白色の品種で、大きさは小カブと同じくらい。生育途中で土の上に出る部分が紫に染まることで、このような色合いになります。
「赤カブ」は伝統野菜としても種類が多く、皮の上部だけが赤いものや、全体が赤いもの、葉まで赤いものなどタイプはさまざまです。
ヒノナ(日野菜)は滋賀県日野町が発祥のカブです。全体をほんのりとした桜色に染める有名な桜漬け(漬物)として利用されており、ほとんどが葉を付けたまま利用されています。
コールラビもカブと同じアブラナ科アブラナ属ですが、ヤセイカンランの変種とされています。名前の由来はドイツ語の「キャベツ」+「カブ」で、キャベツのカブという意味です。
カブの豆知識
カブとカブラの違いは?
実はカブの正式名称はカブラです。カブは後年になって日本における生物学上の名前が定められたため、元々正しい名称であった「カブラ」ではなく、決められた時代に関東で広まっていた呼び方である「カブ」が正式名称となりました。実は「カブ」というのは略称ですが、正式に採用されたことで全国的に広まり、定着していきました。いつも食べているカブの丸い部分は、根だと思われがちですが、実は「茎」の部分です。ダイコンは「根」と「茎」を食べているのです。ダイコンをよく思い出してください。普段食べている白い部分には白いひげのようなもの(側根)が生えていると思います。側根が生えているということは、白い部分は「根」になります。青首大根の首の青い部分には側根は生えていません。大根は上に葉がつくので、葉の根元に当たる部分だから青い部分は「茎」というわけです。
東洋種と西洋種
日本には80品種以上、カブの種類があると云われています。大きく分けると東洋種(大きめで葉や茎に毛があるのが特徴)、西洋種(小ぶりでツルツルしているのが特徴)があり、東洋種は西日本、西洋種は東日本に多く分布しています。
野沢菜のルーツ
野沢菜のルーツは、京へ修行に来ていた信州(長野)の僧が天王寺かぶの種を持ち帰ったのがはじまりともいわれていますが、最近の種子の研究の観点からは、DNAが異なるのではないかとも議論されています。野沢菜の株の根元を見ると、「蕪」があるので、“蕪菜”なのだなぁと分かります。
カブの葉も食べよう
カブの葉にはホウレンソウの約5倍のカルシウムが含まれています。ふりかけやスープ、味噌汁に調理して食べるようにしましょう。
ダイコンは葉付きで売られるのは少ないですが、カブは葉付きで売られます
ダイコンは葉を付けた状態にすると出荷時の箱が大きくなり、コストが掛かってしまいます。また、葉が付いているので洗浄するのに時間も要します。葉が付いている場合、栄養が葉に取られてしまうので、日持ちしにくくなるので、葉を落としていることが多いです。それに対し、カブは葉があるといくつかを束ねてまとめ売りをすることも出来、転がらないメリットもあります。
生で食べるのがおススメ
カブはアクが少ないので下ゆでの必要がなく、むしろ生で食べるのがおススメです。カブにはビタミンCや消化酵素のアミラーゼが含まれており、アミラーゼはデンプンを分解する酵素で、生で摂取すると効果を発揮します。カブの葉にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。葉はアクが強いので、加熱調理します。特にβカロテンは、油脂と一緒に調理すると吸収率が高まるので、ふりかけにするなど油炒めがおススメです。ちなみにカブは葉のつけ根部分は一番うまみの強い部位ですので、泥などの汚れを落とし、食べてみて下さい。
【木曽紫かぶ】(長野県・木曽の伝統野菜)
紅かぶの在来種で、発酵漬物の「すんき漬け」などの漬物にされるのが有名ですが、僕はかぶのステーキにして食べました。
肉質は緻密で甘味が強く、トロトロで美味しかったです。 栄養価もとっても高いかぶです
【杉箸アカカンバ】 (福井県伝統野菜)
かつて杉箸地区ではカブを「カンバ」と呼んでいたということで、 アカカンバ → 赤いカブ になります。 漬物にするのが一般的ですが、生でサラダにしました。 生で食べると皮の近くは少し辛味がありますが独特の苦味とほのかな甘みで美味しかったです。
【温海(あつみ)かぶ】山形伝統野菜
山形県温海町の山間傾斜地で400年前から焼畑栽培されてきたかぶで、将軍にも献上されています。表面は紫で、中は白。肉質は緻密でやや堅いですが、甘みがあります。
【近江万木 (おうみゆるぎ)かぶ】滋賀
400年以上の歴史がある滋賀県の在来種の赤かぶで、肉質は柔らかすぎず堅すぎないです。表面は赤で、中は白。生食がおススメ。
【南部赤長かぶ】岩手
大根のように見えますが、岩手県の伝統野菜のかぶです。僕はお漬物にして食べました。酢の物やお味噌汁にもいいそうです。
【矢島かぶ】滋賀県守山市の伝統野菜
この矢島かぶの特徴は、葉や茎が赤紫色をしていています。 葉は硬いので、味噌汁に入れると美味しいです。 実は生でサラダにして食べました。 生で食べるとほんのり甘味があって美味しいです。
【百万石青首かぶ】石川
百万石青首かぶは石川県の伝統野菜で、郷土料理「かぶらずし」や漬け物などにも利用されているかぶです。 「かぶらずし」はかぶに切り込みを入れてブリやニンジンなどを挟んで発酵させたなれずしです。
【宝谷かぶ】 山形
宝谷かぶと言えば、「温海かぶ」と同じく焼畑農法で作られています。傾斜地で作っているので少し折れ曲がっていて小さな青首大根のような形なのが特徴です。甘みが増すよう雪室で貯蔵され、蛸煮やどんがら汁などに使われます。生で食べると少し堅いですが、加熱するとトロトロです。
【聖護院かぶ】
聖護院かぶは繊維が少ないので柔らかく、肉質は緻密できめ細かなかぶです。甘味があるので、生食でも加熱調理でもどちらでも合います。
【とっくりかぶ】 山形産
もともと山形県真室川町の中川家でのみ栽培されてきた、とても貴重なかぶです。まるで徳利のような形なので「とっくりかぶ」と呼ばれてきました。水分が多く、サクサクとした食感のかぶです。生で食べても辛みはないです。
【よすけかぶ】 山形産
山形県真室川町の地かぶの1つ「よすけかぶ(與助かぶ)」。肉質は柔らかく、何にでも合うかぶです。
[カブの育て方・栽培のポイント ]
カブ学名:Brassica rapa subsp. rapa /科名:アブラナ科 /原産地:アフガニスタン~地中海沿岸地方 /分類:1年草 /耐寒性:強 /耐暑性:弱
栽培カレンダー
特長
カルシウムやビタミンCなどが豊富なカブ。品種数が豊富で、直径5~6cmの小カブ、13cmほどの中カブ、15cm以上になる大カブがあります。また、色は白だけでなく赤や紫、そして形は丸いものから長細いものまで幅広くあります。初心者でも育てやすいのは小カブです。
置き場所
日あたりの良い場所
水やり
表面が乾いたら、株元にたっぷりと水やりをします。
植え付け
天然素材と有機原料を使用した野菜の植えつけに適した『今日から野菜 野菜を育てる土』、または水はけの良い培養土に、元肥として『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を混ぜ込み、種まきをします。
肥料
間引きの際に追肥として『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を施しながら、中耕・土寄せをします。
『専用液肥 -野菜-』もおすすめです。
病害虫
虫:カブラハバチ、キスジノミハムシ、アオムシ、アブラムシ アブラムシ
病気:多湿による、白さび病、黒腐病、根こぶ病、萎黄病
カブの育て方・栽培のポイント
冷涼な気候を好みます。根菜類なので種まきから育てるのが一般的です。種は筋まきをし軽く土をかぶせて水をやります。発芽後、本葉1~2枚で株間3~4㎝に、本葉3~4枚で株間5~6㎝、本葉5~6枚で10~12㎝に間引きます。その際に追肥と土寄せも併せて行います。また、根の肥大時期に水が足りないと根が破裂してしまうので注意します。白い根茎が土から見えてきたら収穫適期。収穫が遅れると根が裂けたり、素が入ったりします。プランターや鉢で栽培する場合は、コカブがおすすめです。
今日から野菜 野菜を育てる肥料
野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合! ゆっくり長く効き続けるので肥料不足を起こさず、野菜が元気に育ちます。
今日から野菜 野菜を育てる土
専用液肥 ―野菜―
持った時にずっしりと重みを感じるカブは水分がしっかりと詰まり美味しいカブ!