目次
ナシ(梨)を選ぶ
ナシはまずは尻と肩に注目
あまり丸っこいものより肩が張っているような感じで、尻がふっくらと豊かなものを選びましょう。背の高いものよりは、横に大きく腰の低いもので、手に持ってずっしりと重く感じるナシがよいです。重い方がより果汁もあり実も締まっているのでオススメです。ナシが大きいと味が薄いのではないか、と思われる方がいるかも分かりませんが、ナシは一般的に大きい方が味は良い傾向にあります。
ナシの皮はザラザラよりツルツルを選びましょう
果皮のザラザラ感(茶色い斑点)は熟すにつれて減り、食べ頃になるとツルツルになっていきます。(見た目にも艶がでてきます)お店で購入される時も、梨狩りの場合も、すぐ食べる場合は表面がツルツルのものを選び、お土産として持って帰る場合は、ちょっとザラザラとした表面のものの方が長持ちしますよ。茶色い斑点は水分が蒸発していく穴ですので、点々の間隔が狭く多いものは水分が抜やすいです。
出来るだけ点々の間隔が広いものを選びましょう!!
赤ナシ、青ナシ
梨は和梨、中国梨、西洋梨の3つに分類されますが、一般的に「ナシ」というと日本のナシです。日本のナシも2つに分けられ、赤ナシと青ナシに分けられます。赤ナシの代表品種は8月によくスーパーに並んでいる「幸水」、青ナシは関東ではあまり馴染みがないかもしれませんが、関西の方だと鳥取の「二十世紀梨」が有名です。青ナシは酸味のあるスッキリとした甘さが特徴です。
ナシ(梨)を保存する
乾燥を防ぐことが一番
新聞紙やキッチンペーパーで一つ一つ包み、ビニール袋やジップロックに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。新聞紙やキッチンペーパーがない場合は、ビニール袋に入れるか、ラップで包みましょう。ヘタの部分を下にしておくと、長持ちします。ナシは呼吸をするために、実に蓄えられた糖や酸を使いますが、低温の冷蔵庫であれば糖や酸が消費されにくく、ナシの呼吸を抑え品質の劣化を防ぐことが出来ます。またナシは低温障害がおこりにくい果物なので、冷蔵保存が可能です。
二十世紀などの緑色の梨は少し黄色っぽくなれば甘味が出た証拠。皮にハリがなくなってきらたら、熟しすぎているので避けましょう。
豊水などの茶色い梨は果皮に光沢があって、適度な赤みのものを選びましょう。丸いものが良いです。
西洋ナシのバートレットはトロリとしたなめらかな食感で、香りも良く、風味は「梨」というよりは「りんご」に近い感じです。
ラ・フランスは、別名「バター・ペア」。特有の芳香と、とてもジューシーな肉質は、まさに西洋ナシの最高峰。
ナシ(梨)の豆知識
弥生時代から食べられていたナシ
ナシは、日本で栽培される果物の中でも歴史が古く、登呂遺跡で種子が出土したことから、弥生時代にはすでに食べられていたと考えられています。日本書紀には、桑やクリなどと共にナシの栽培をすすめる記述が見られます。ナシは水分と食物繊維が比較的多く、ソルビトールを含んでいますので、のどを潤して炎症をやわらげる作用があります。風邪や扁桃炎などでのどが痛む時や、せきが出る時に効果があります。東洋医学ではナシの絞り汁が咳止めに効果があると言われており、ナシをジューサーにかけ砂糖や蜂蜜を加え、弱火で煮詰めます。この煮汁を一日に数回飲むとせきやタンが和らぎ、のどの痛みが楽になります。
有りの実
ナシの名前の由来は中が白いから「なかしろ」、略して「なし」になった説や、ナシは風があると実らないことから「風なし」、略して「なし」になった説など諸説あります。ちなみに、農家さんのあいだでは「有りの実」ともよばれています。梨というのが「無し」にも聞こえることから縁起が悪いということで逆の意味の「有る」にして「有りの実」と呼ぶようになったと云われています現在でも「○○有りの実園」という梨屋さんが多くあります。
ナシの木
ナシの木は4月に白くて綺麗な花が咲きます。そこにミツバチや人の手によって実を結ぶ作業を行い、続いて沢山ついた実の中から美味しくて大きくなりそうなナシの実だけを選んで残していきます。一本の木につくナシの実は約6,000個です。その中から200個まで選び抜きます。その他にも、梨の木が健康に育つように虫や病気にかからないように気を付けたり、草刈りなども行います。
ナシはお尻の部分が甘い
ナシの頭の部分とお尻の部分では食べてすぐわかるぐらい甘さが違います。是非、食べ比べしてみてください!
シャリシャリ食感の理由
シャリシャリの食感のもとになっているのは「石細胞(せきさいぼう)」と呼ばれる細胞壁によるものです。野菜や果物の皮は実や中の種を守るために硬くなります。梨にはその堅くなる成分が皮だけでなく、実の中にもあるので、実が熟す前は果肉が硬くなり、種を守っています。実が熟すと、石細胞は果実全体に散らばるので、シャリシャリの食感になるのです。日本の梨はこの石細胞が多いので、英語ではサンドペア(砂の梨)と呼ばれています。
【大天梨(だいてんり)】 千葉
甘くシャリシャリ感のある「南水」と、ジューシーでさっぱりの「新高」の掛け合わせ。梨は糖度が10以上あると甘いとされていますが、大天梨は糖度15~16度の梨です。500~600gの大きな梨で、果肉はやや硬めでやや粗い肉質です。日持ちが良く、ちゃんと保存すれば翌年でも食べることが出来る梨です。
【彩玉(さいぎょく)】埼玉
「新高」と「豊水」の掛け合わせでできた埼玉県のオリジナルの大玉品種です。「彩玉」“さいたま”ではなく、“さいぎょく”です。酸味が少ないので、とても甘く感じます。歯ざわりも良く、果肉はとてもジューシーな梨です。
【稲城】東京
「稲城」は東京都稲城市発祥の品種で、ソフトボール程の大きさの早生としては珍しい大玉品種です。酸味はなく肉質は柔らかでジューシーです。この梨は750gあります。市場にあまり出回らない希少な品種ですので、稲城市の直売所などで購入するのが◎です。
おススメの直売所は、稲城市の『川清園(かわせいえん)』(東京都稲城市東長沼1964)です。また、JA東京みなみ https://www.ja-tm.or.jp/ もご確認ください。
【愛宕梨(あたごなし)】
名前の由来は東京都の愛宕山に近かったことから名付けられました。日本で一番大きな和梨と云われ、大きなものだと2キロ位のものもあるようです。収穫後に約1か月追熟させてから出荷されますが、日持ちもよいのでお正月でも食べることができます。
【あけみず(明水)】
今シーズン初の梨は『あけみず』。幸水よりも早い品種です。神奈川県で生まれた品種ですが、富山県や愛知県で多く栽培されています。甘味もありますが、酸味もあるのですっきりとした感じです。何よりもとてもジューシーなので、暑い夏の暑さにはうってつけの梨です。
【愛甘水(あいかんすい)】
愛甘水は梨の中でも早く収穫される早生品種で、収穫期は8月中旬頃までの赤梨です。一般的な梨に比べると少し平べったい形です。しっかりとした歯ざわりで、甘みは強く、酸味は少ない梨です。愛甘水の後、「幸水」「秋栄」などが出てきて、本格的な梨のシーズンを迎えます。
【甘太】熊本
甘太は「甘くて果実が太い(肥大する)」ことから命名され、農研機構が品種開発した梨です。「甘い」「ジューシー」が印象的な梨で、シャリシャリ感は新高を彷彿とさせます。農研機構では他にも幸水、豊水 、新水。最近では あきづきや王秋などの品種が開発されています。
【新美月】新潟
梨を月にたとえ「新美月」と命名されました。姉妹品種の「新王」も最近よく見かけます。やわらかく、適度に酸味で甘みが引き立ちます。
【南水】長野
梨の名前でよく耳にする 幸水、豊水 などはメジャーな品種です。ただこれらの品種は、デビュー後、時間が経過しているので、豊水の後継種として誕生したのがこの「南水」です。平均糖度は15度あります。日持ちもよくシャリ感が強いです。甘い梨が好きな方にオススメです。
【豊月(ほうげつ)】 茨城産
晩生の赤梨「豊月」の特徴はまず、果汁量がとても多いことです。果肉のシャリ感は弱く、柔らかいです。やさしい甘みと酸味です。
【新雪梨(しんせつなし)】
冬に梨?と思われるかも知れませんが、この新雪梨は収穫が11月~12月の梨です。収穫されて間もないものは酸味が強いので、追熟させて少し酸味が和らいでから市場に出回ります。果肉はジューシーで、シャリシャリとして甘みと酸味のバランスが良い梨です。
【鴨梨(ヤーリー)】岡山
ヤーリーは中国原産の梨で、鴨が首をすくめた姿に似ているところから鴨梨の名が付いたと云われています。別名「香り梨」とも呼ばれるほど、香りが良いです。和梨のようにシャリシャリとして、みずみずしい食感です。酸味は強めですが、スッキリとした甘さです。
【あきあかり】 神奈川産
あきあかりは農研機構 が育成した早生の赤梨です。果実の日持ち性の良い品種です。果汁は多くて果肉は少しやわらかめですが、しゃりしゃり感もあり、甘味が強くて酸味はおだやかな梨でした。
【蒼月(そうげつ)】 茨城・農研機構
2022年9月3日の農研機構秋の一般公開配信で取り上げた『蒼月(そうげつ)』 『はつまる』×『なつしずく』の極早生の青梨です。 2021年に品種登録されたばかりで、まだ市場には出回っていません。 やや粗めで多汁、はつまるに匹敵する甘さがあります。 また食べたいですが、暫く先になるでしょうか…楽しみです
【豊華(ゆたか)】 神奈川産
横浜名産『浜なし』です。品種は「紅梨」×「豊水」を交雑実生した「豊華」です。果実は大きめで670g超えでした。果肉は軟らかめで、とにかく甘味が強く、酸味も適度にありました。糖度はだいたい14度くらいあるそうです。
【加賀しずく】 石川産
16年の歳月をかけて開発した石川県オリジナル品種。『幸水』と石川県の一部でしか生産されていない『鞍月』を親に、良いところを受け継ぎました。とてもジューシーで酸味はほぼなく、甘さはかなり強いです。果肉は柔らかめですが、シャリ感も感じられ、美味しい梨です。
【はつまる】 茨城産
農研機構が開発し、2014年に品種登録された新品種の極早生赤なしです。一口食べてびっくり、驚きの甘さで独特のフルーティーな香りがあります❗️ 想像以上のジューシーさにむせてしまう程です。まだあまり見かける機会は少ないと思いますが、早くたくさん出回ってほしい品種です。
【喜水(きすい)】 福島産
静岡の焼津市で『明月』に『豊水』を交配して生まれた早生品種です。水分は少なめで甘さと酸味のバランスが優れている梨でした。
【あけみず】 神奈川産
幸水よりも早い品種です。神奈川県で生まれた品種ですが、富山県や愛知県で多く栽培されています。甘味もありますが、酸味もあるのですっきりとした感じです。何よりもとてもジューシーなので、この暑さにはうってつけの梨です。
【愛甘水(あいかんすい)】 愛媛産
愛甘水は梨の中でも早く収穫される早生品種で、収穫期は8月中旬頃までの赤梨です。 一般的な梨に比べると少し平べったい形です。 しっかりとした歯ざわりで、甘みは強く、酸味は少ない梨です。 梨はこれから「幸水」「秋栄」などが出てきて、本格的なシーズンを迎えます。
【清玉(せいぎょく)】 東京・稲城産
【大天梨】【秋満月】
スッキリでご紹介した城山みのり園の實川さんから、100年に1度の優良品種『大天梨』と千葉県が12年かけて開発した新品種『秋満月』を頂きました。秋満月は初めて食べましたが、果肉はものすごくジューシーで、柔らかく滑らかです。甘みも強く、酸味はほとんど感じません。
【白鳥梨(はくちょうなし)】 長野県産
長野県の桃沢晴香園さんが中国原産の梨「慈梨(ツーリー)」と「鴨梨(ヤーリー)」を自家交配して出来た梨です。かなり大玉で830gもありました。果肉は粗めですが、みずみずしく強い甘さがあります。香りや食感が青梨に似た感じです。
【あきあかり】
あきあかりは農研機構開発品種の赤梨です。天候にあまり左右されずに糖度が乗る品種を開発されました。「新高×豊水」×「雲井×幸水」の掛け合わせで有名品種たちが親です。果肉は少しやわらかくきめ細かなシャリシャリで、ジューシーです。甘みが強く、ほのかな酸味です。
西洋ナシ
軸は細くしっかりしたものを選びましょう!!