クリ

2020.10.02

時期:9~10 月
主な産地:茨城県、熊本県、愛媛県

クリを選ぶ

クリは見た目が重要

クリの表面の固い鬼皮が固く張りがあり、ツヤと光沢があるものを選びましょう。平たい粒の物より、ふっくらと丸みがあるものの方がベターです。小さな丸い穴があると、虫が中に入っている可能性が高いです。傷があるものや、黒ずんでいるものは避けましょう。手に持った時にずっしりと重みが感じられるものを選びましょう。収穫後時間が経ったものは乾燥し実が痩せて軽くなっているものもありますので注意しましょう。

水に浮くクリは避ける?

水に浮くクリは空洞が多く身が痩せている可能性があります。収穫から時間が経ち、中の水分が乾燥して実が縮み空洞が出来ているので浮いてしまいます。小さな穴が開いて空気が入っているものもあります。虫が入り、実を食べている可能性もあります。穴が開いている場合はほぼ虫がいます。または虫が食べた後、ということもあります。粉がついているのは虫が食べた証拠です。買う時はクリを水に浮かべることはできませんので、見た目で艶やかで張りがある物を買うようにしましょう。

食べている部分はクリの“実”ではなく種

私たちはクリの種を食べているのです。実のような気がしますが、クリの実の部分はトゲトゲしたイガから出てきた固い殻が実です。トゲトゲしたイガは皮となります。それではクリは野菜なのでしょうか、それとも果物なのでしょうか?正解は果物です。野菜と果物の分類については、はっきりした定義はありませんが、生産・流通・消費などの分野で分類の仕方が異なるものもありますのでその都度調べるようにしましょう。

クリを保存する

クリの鮮度はすぐ落ちる

クリは硬い殻に包まれているので、あまり鮮度は落ちなさそうに思えますが、生のままのクリは意外と早く鮮度が落ち、乾燥し香りが抜けるとともに実が痩せてしまいます。使うまではポリ袋などに入れ冷蔵庫のチルド室に入れて保存しておきましょう。クリは低温にさらされるとデンプンが糖に変わりますので、新鮮なクリは冷蔵庫のチルド室で数日間保存することで甘味が増します。多少風味は落ちますが冷凍すれば半年間ぐらいは保存することが可能です。

純日本種でありながら加熱することによりぽろっと鬼皮と一緒に渋皮が剥ける画期的なクリの「ぽろたんクリ」。2007 年に登録された新しい品種です。

市場に流通しているクリは、防虫剤を用いたり、収穫したクリを薫蒸したりしているので、あまり虫入りのクリはありません。

9 月 9 日は「重陽(ちょうよう)の節句」、江戸時代、重陽の節句には「クリごはん」が食べられていたと言われています。

直火が栗の鬼皮に当たるようにするための「焼きグリ用フライパン」ではなく、魚焼きグリルでも「焼きグリ」を簡単に作ることが出来ます。

クリの豆知識

栄養価が高いクリ、渋皮の効果がスゴイ

クリの皮むき、苦戦しますよね。それは日本生まれの「日本グリ」の特徴です。日本グリは、大粒で甘味が少なく、水分が多くしっとりした食感が特徴です。中国原産の「中国グリ」は天津甘栗でお馴染みですが、小粒で皮がむきやすく、実が固く締まっていて甘みが強いのが特徴です。

ヨーロッパ原産の「西洋グリ」は、日本グリと中国グリのハーフのような存在で、「マロン グラッセ」などお菓子の原料として使われています。クリは、炭水化物が豊富で、ビタミンB1、B2を多く含みます。B1、B2には、糖の代謝を助ける働きがあり、高血圧や動脈 硬化に効果があるとされるカリウムや、貧血の予防が期待できる葉酸も含んでいます。また、クリの渋皮にはポリフェノールの「タンニン」が多く、抗酸化作用が期待できます。クリは 少量でもバランスの良い栄養を摂取できるのが魅力ですが、カロリーはジャガイモの倍以上と高いです。

体脂肪が気になる方は食べ過ぎには注意しましょう😅

クリにも品種がたくさんあります

クリは品種によって、甘みが強いものや加工に向いているものなどさまざまあります。  また早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)などで食べ頃の時期も異なります。  早生(わせ)の「丹沢」「国見」などは実が大きいので加工に向いています。中生(なかて) の「筑波」「銀寄」「利平」、晩生(おくて)の「石鎚」「岸根(がんね)」は甘みが強いものが多いです。

よく耳にする「丹波栗」って

「丹波栗」とは特定の品種ではなく、古くから栗の名産地であった丹波、および隣接する摂津で栽培されていたクリのことを指します。品種名という概念はなく、産地名で呼んでいたことからこの名があり、「丹波栗」は大粒な栗の代名詞にもなりました。丹波栗は江戸時代の参勤交代で全国に広まり、人気となりました。

クリは英語でマロン?

「マロン(marron)」は英語ではなく、フランス語です。英語では「chestnut(チェスナッツ)」と言います。

「マロングラッセ」は偶然に出来た?

クリを使用した「マロングラッセ」は、料理に使うクリを煮るときに、水と間違えてシロップを使用したことが誕生の秘話とされています。(諸説あります)

クリと言えば「モンブラン」

勘違いされていることが多いのですが、洋菓子の「モンブラン」とクリは関係がありません。フランス語で「モン」は山、「ブラン」は白という意味です。フランスとイタリアの国境にある、アルプス山脈最高峰の山の名前「モンブラン」が、その由来です。

 

 

 

というものの、クリ拾いに行くとやっぱり作ってしまうのが「モンブラン」ですよね(笑)

定番のモンブラン

「ぽろたん」は農研機構が開発した、果実が大きく、渋皮が簡単にむける画期的な栗です。
渋皮がポロンと剥けることと、広く愛されて欲しいとの願いを込めて「ぽろたん」と命名されたそうです。
レンジでチンしただけで、ぽろっと渋皮が剥けました。写真は農研機構施設内にあるぽろたんの原木です。

【小布施栗】  長野産

「小布施栗」栗は将軍家に献上された「徳川三大果」の一つです。ちなみに残りは「紀州みかん」と「甲州ぶどう」です。
今日は渋皮煮にしました。栗自体がとても甘みが強く、滑らかなので、砂糖は控えめにしました。

アーモンド

産地視察

2019 年 10 月 5 日

茨城県かすみがうら市にある四万騎農園(しまきのうえん)さんへ産地訪問させて頂きました。四万騎農園さんは、大正時代から続く栗専門農園です

落ちる直前のクリ

クリ拾い

この日は情報番組の密着取材が入っていました。

クリの選別を教えて頂きました

だんだん慣れて素早く出来てきました

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