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キクイモ(菊芋)を選ぶ
丸く太ったものを。硬く締まっているものを選びましょう
見た目はショウガに似ている野菜です。選ぶポイントは、しっかりと栄養を蓄え丸くなったもので、実が硬く締まったものを選びます。鮮度が落ち、乾燥するとしなびたように柔らかくなりますので注意しましょう。生のままでもクセがなくシャキシャキとした食感が楽しめ、加熱するとホクホクとした食感を楽しむことが出来ます。
「イモ」と名にありますが、イモではありません
ジャガイモやサツマイモなどのイモではなく、キク科ヒマワリ属の植物で、生長すると、草丈は 1~3mにもなる繁殖力の強い植物です。北アメリカを原産地とし、江戸時代末期に飼料用作物として日本に導入されました。そのころは「ブタイモ」と呼ばれました。繁殖力が非常に強いため在来種を絶滅させる危険性があることから環境省は野生化したものを要注意外来種に指定しています。
シャキシャキ食感とほのかな甘み
近年はダイエット・健康食品として脚光を浴びています。シャキシャキした食感に、ゴボウに似た匂いがほのかにします。でんぷん質がほとんど含まれないので、シャキシャキとした食感になります。そしてとても低カロリーで、天然のインシュリンと呼ばれる、イヌリンという成分が最も多く含まれています。イヌリンは生活習慣病の一つである糖尿病に対して高い予防作用を持っていると言われています。
キクイモ(菊芋)を保存する
長期保存する際はプランターを使って、土に埋める
キクイモは常温で保存すると、1 週間程度でカビが生えたり、干からびてスカスカになったりしますので、泥のついたまま湿った新聞紙につつんで冷蔵庫の野菜室で保存します。表面を水洗いすると日持ちが悪くなる上、イヌリンも減少しますので、そのまま洗わずに保存しましょう。
保存の期間が長くなっても、イヌリンが段々減少していきますので、できるだけ早めに食べましょう。長期保存したい場合は、土の中に埋めておくとよいです。キクイモは生命力が非常に強いので、土の中に埋めておくだけで翌春芽を出すまで保存できます。
切り口が赤くなるのは、ポリフェノールが出ているだけですので、とり除くことなく食べましょう。
レモン汁を垂らした水にさらすと変色を防ぐことができます。酢水に浸けると酢に含まれる酢酸がイヌリンを凝固させてしまうのでレモン汁にしましょう。
キクイモは皮に多くのミネラルが凝縮していますので、出来るだけ皮ごと食べるようにしましょう。芽が出ていても、取り除けば美味しく食べることができます。
「菊に似た花を咲かせる芋」として名前の由来にもなっています。9~10 月頃花が咲き、咲き終わると地上部は枯れ、地中にショウガに似た塊茎をつくります。
菊芋の葉
【菊芋の葉】
菊芋 の葉はお茶に用いられることもありますが、なんと食べることも出来ます!菊芋同様にイヌリンがたくさん含まれています。僕は胡麻和えにしてみました。産毛が少し気になりましたがクセがなく食べやすい味でした。
キクイモ(菊芋)の豆知識
注目の的「イヌリン」
キクイモの成分の中心であるイヌリンは水溶性食物繊維で、腸内で発酵するとフラクトオリゴ糖に変わり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整える働きがあります。イヌリンは人間の体内では消化することができない糖で、水分を含むとゲル状になり、一緒に食べた糖分を吸収しにくくする性質で、食後血糖値の上昇を抑える効果もあります。血糖値の上昇を抑えるイヌリンは天然のインシュリンと言われており、糖尿病に対して効果を期待されています。
イヌリンは水溶性
キクイモのイヌリンは土を洗った時点から減少しますので調理の直前に洗ってから食べるようにください。又、イヌリンは水溶性ですので調理、加工には注意が必要です。キクイモは土の中で育つ野菜ですので、収穫されて光を浴びた段階で徐々にイヌリンが分解され、イヌリンが減少しますので、出来る限り早く食べましょう。
イヌリンの効果が発見され、注目されるキクイモですが、まだまだ流通量は少ないので、キクイモを見つけたら是非召し上がってみてください。
素揚げして少し塩を振るだけで、フライドポテトのようになります。
菊芋は血糖値の上昇を緩やかにしたり中性脂肪を下げることで注目されている野菜です。