お茶を熱いお湯でいれていませんか?
2020.12.16
“日本で初めてアメリカへ渡ったお茶”としても知られている、『さしま茶』の石山製茶工場さんにて。
茨城県猿島郡境町は『さしま茶』と呼ばれている茶の産地です。
玉露と、一般的なお茶の差って何?
玉露や煎茶は「玉露の木」「煎茶の木」ではなく、お茶の木自体は同じものです。
なぜ玉露は高いのでしょう?
日光
一般的な煎茶は新芽が出てから、茶葉を摘み取るまで約3週間日光が当たり続けます。
玉露の場合、新芽が出たら茶葉に覆いをかぶせて日光を遮断します。
玉露は収穫までほとんど日光に当たらず収穫されます。
日光を遮ることにより、茶葉に含まれるカテキンが増えるのを抑え、旨み成分のテアニンを増やします。
※カテキンはポリフェノールの一種で、苦味と渋味の元になっている成分です
※テアニンはアミノ酸の一種で、旨みの元になっている成分です
新芽
玉露になる茶葉は、一番最初に出てきた新芽の一番茶を使います。
新芽は柔らかいので、機械で摘むことができず、収穫は全て手摘みで行われます。
茎や余計な部分を完全に取り除き、茶葉の大きさを揃えます。
煎茶に比べ手間が掛かります。
このことから玉露は一般的な煎茶と比べると、苦みが少なく旨みがある高級茶とされています
お湯の温度
お湯の温度が80度以上、100度に近いほど渋み成分のカテキンが溶け出します。
お湯の温度が50度で旨み成分のテアニンが溶け出します。
玉露をいれる場合は、お湯の温度を低めの40度~60度、ゆっくり抽出することで、 カテキンの溶出を抑え、玉露の特徴でもある旨みを十分に引き出します。
煎茶の場合は、渋みを抑えて旨み成分を引き出す温度70~80度で、香り、渋み、旨みのバランスがよいお茶になります。
ほうじ茶や紅茶の場合、高めの温度でも渋みや苦みが出にくいので、香りを引き出す100度の高温でいれます。
お湯の温度を100度以下にする場合は、一度沸騰させてから温度を少し落ち着かせるのがおススメです。