カキの生食用は新鮮?
2020.12.17
カキには「生食用」と「加熱用」の2つのタイプがあります。
生で食べるなら「生食用」、加熱するなら「加熱用」です。
でも生食用が新鮮だから、という理由でカキフライやバター焼きなど加熱料理にも使ってはいませんか?
「生食用」と「加熱用」の違い
「生食用」と「加熱用」は、そもそも鮮度で区別されているわけではありません。
「生食用」と「加熱用」の違いは、カキの育った海域と、それに伴う、細菌の濃度です。
カキが原因となる食中毒は、カキの体内にある細菌が繁殖することによって起きます。
そのため、保健所が定期的に海域の水質を検査し、「生食用」として販売できるカキの海域を指定しています。
そして出荷前には食中毒にならないように滅菌洗浄を行います。
新鮮だから「生食用」ということではないのです。
また滅菌洗浄を行うため、カキは2~3日間栄養が摂れない状態になるので、身が痩せることになり、水っぽく味が落ちることもあります。
鍋やフライにする場合は、大きく味の濃い「加熱用」カキを使用しましょう。
でも生ガキならではの香りとのどごしは、「加熱用」カキでは味わえない美味しさです。
厚岸のカキ
カキは北海道から九州まで各地に分布し、全国各地に有名なカキがあります。
北海道・道東の「仙鳳趾(せんぽうし)」や「厚岸(あっけし)」などは外洋に近いため潮の流れが早く、プランクトンも多い環境で育っているので、カキの味は濃厚でクリーミーです。身のなかに水分が少ないため加熱しても小さくなりにくいのも特長です。
町中を流れる名水百選に選ばれた兵庫「千種川」から流れる森の栄養分が、豊かな漁場を育んでいる赤穂坂越「さこし忠臣蔵」もおススメです。