『門松』なのに竹の主張がスゴイ
2021.01.02
門松の意味
お正月は別名「松の節句」とも呼ばれ、門松や松飾りには、「年神様をお迎えする準備が整いました。」
というお知らせの意味があり、年神様が迷わずに家に来てくれるように目印として飾られました。
玄関に向かって左側に雄松、右側に雌松を用います。
年神様とは
年神様はお正月になると各家々にやってきて、一年を守ってくれる神様です。
年神様の「年(とし)」は、「稲や稲の実り」を意味する語とも云われており、五穀豊穣の神でもあります。
つまり年神様は、稲の神様でもあり、一年を守ってくれる神様でもあります。
門松の由来
古(いにしえ)から日本では、木には神が宿ると考えられていました。
神社にご神木があるのもその理由です。
「松」は「祀る」につながり、常緑の松は神様が宿る木として、縁起が良い樹木とされていました。
松よりも竹が主役に見える
「竹」は成長が早くまっすぐ育つので、生命力や長寿、繁栄を表すと云われています。
門松の竹の先端部分が、斜めに切られているものと、真横に切られているパターンがあることをご存じですか。
切り口が節に対して水平な「寸胴(ずんどう)」と斜めに切った「そぎ」の2種類があります。
竹を斜めに切るのは徳川家康がはじめた?
徳川家康の生涯唯一の敗北として知られる「三方ヶ原の戦い」があります。
その時の敗北を決して忘れず、次は、対戦相手の武田信玄を斬ると念を込め、門松の先が槍の先に見えるそぎ切りにしたのが始まりとされています。
東京都文京区の六義園の門に飾られる門松は斜め切りの「そぎ」ではなく、「寸胴切り」です。
これは六義園を所有していた、三菱創業の岩崎家が甲斐源氏(武田)末裔を称しているからです。
都立9庭園の中で、六義園、旧岩崎邸、清澄庭園、殿ヶ谷戸庭園の4庭園は、岩崎家がもっていた庭園なので、「寸胴切り」の門松を飾っています。