小松菜 後関晩成小松菜
後関晩生(ごせきばんせい)小松菜
後関晩成小松菜は、江戸東京野菜の1つです。
ご存じの通り「小松菜」は、徳川吉宗公が鷹狩りに出かけた際に小松川村(現在の江戸川区の西部)で休息し、そこで食した青菜の汁を気に入り、青菜の名前が無かったので、土地の名前から「小松菜」と名付けた話は有名です。
その後江戸川区の後関種苗が、他と交雑しないように「ごせき晩生小松菜」と命名しました。
※本当はひらがなで「ごせき晩生小松菜」が正しい表記ですが、商品名の「ごせき晩生小松菜」と区別するため「後関晩成小松菜」も併記しています
茎や葉が折れてしまう
僕は毎年、後関晩成小松菜を栽培していますが、柔らかくて美味しいのですが、茎や葉が折れやすく、相当気を付けないと簡単に折ってしまいます。
僕のように毎日食べる分だけを収穫し、折れたとしても自分ですぐに食べるので問題ないですが、これが農家さんだと話は変わります。
折れないように収穫や袋詰めに手間が掛かってしまいます。
そして何より、すべての後関晩成小松菜が同じスピードで成長している訳ではないので、出荷の際に数を想定しにくいのではないかと思います。
そこで登場したのが「チンゲン菜」
「チンゲン菜」が「後関晩成小松菜」の代用品となったのではなく、交配して、折れにくい小松菜が誕生しました。
これが一般的に売られている「小松菜」です。
折れやすかった弱点を克服し、折れにくくなった【New 小松菜】は収穫、袋詰めの作業効率アップにも繫がり、一般的に食べられるようになりました。
得たものがあったが、失ったものも
チンゲン菜は茎や葉がしっかりしているので、「小松菜」は折れにくく、また病害虫にも強くなりました。
僕の菜園で収穫している写真をご覧頂いても分かりますが、後関晩成小松菜は葉が横に広がって育つので(なのに茎は細い)、袋に入れようとするとポキっとなってしまいます。
形状に関しては、とてもよい交配結果ですが、逆に小松菜らしい食感や風味は失われてしまいました。
生で食べ比べてみると、よく分かります。本来、小松菜はほうれん草とは違い、生で食べることが出来ます。
これは自分の菜園で「後関晩成小松菜」と一般的な「小松菜」を栽培し、食べ比べをしているので違いが分かるのですが。
いや、正確には、違いが何なのかを考えながら食べているので、分かるのですが、現在の小松菜も美味しいのは間違いないです。
ただ小松菜はクセがなく、どんな料理にも合います!と紹介されることが多いのですが(実際、そうなんだけれども・・・)、冬の後関晩成小松菜を食べてみて下さい。
いや、家庭菜園でも出来るので、ぜひ栽培してみて下さい。
美味しいです。何がどう美味しいのか、食べて、ご確認してみて下さい。
余談ですが、三河島菜(仙台芭蕉菜)も美味しいです。
小松菜