冬も美味しい鰆(サワラ)
2021.12.23
目次
サワラという魚の漢字表記
さて、この魚はサワラです。
サワラという漢字は魚偏に何と書くでしょうか?
魚偏に春と書いて『サワラ』です。
だから春が旬というのが一般的ですが、実はサワラは関東では冬が旬です。サワラの旬は関東と関西では異なります。
関西では春が旬と認識されてきましたが、関東では、産卵期前の脂がのった 12~2 月の「寒ザワラ」が好まれるため、旬は冬だと認識されています。
関西も関東もどちらのサワラもそれぞれ違った美味しさがあります。
ポイントはお腹
ほっそりした体形の魚ですので、お腹で脂の乗りをチェックします。ポイントは「お腹」です。
鰆を別の漢字で書くと「狭い腹」と書き、「サ」は狭い、「ハラ」はお腹を意味し、腹が狭くスマ ートな体形と言うのが語源です。脂の乗ったサワラは腹自体も丸みとハリがあるので、「狭さ」を感じさせない体型のサワラを買うようにしましょう。
ちなみに狭いことを「サ」と言うのは、秋刀魚(サンマ)、細魚(サヨリ)もそのカラダの細いことからその名前がつけられています。
おススメの食べ方
サワラは刺身、西京焼き、照り焼き、塩焼きなどどれで食べても美味しいですが、僕のおススメは「焼き霜の刺身」です。
サワラは皮と身の間に独特の香りと旨みがありますので、皮目をバーナーで軽く炙ると、香ばしく、皮も歯切れが良くなり旨みが濃厚になります。
春に旬を迎える関西では西京漬けのほか、幽庵焼き、照り焼き、塩焼き、かぶら蒸し、押し寿司など様々な食べ方があります。冬に旬を迎える関東では、刺身や塩焼き、西京漬けが中心となっています。ちょっと触っただけでも傷ついてしまう繊細な魚ですので、調理時は丁寧に扱うことが必要です。
ブランド鰆
静岡「稲取キンメ」や、三重の「伊勢エビ」「桑名のハマグリ」、大阪の「金太郎イワシ」、兵庫「明石のたこ」のように全国にはブランド魚と呼ばれる魚があります。
サワラもこのようにブランドサワラがあり、特に岡山県はサワラ大好きな県です。
岡山では、さしみやたたき、「いりやき」と呼ばれるさわらのすき焼きなど、地元ならではの味わい方がたくさんあり、サワラを食べるために春は岡山に行かれる方も多いです。