【SDGs 食品ロス 後編】普段捨てられてしまいがちな部分に注目
2022.06.17
「写真にあるピーマンの種やわた」
血液をサラサラにしてくれたり、美肌効果のある栄養素『ピラジン』は主に食べる皮よりも、種やわたに多く含まれています。種やわたは必ずとり除かないとダメな部分ではなく、ピーマンの肉詰めなどの時は種もワタもそのまま活かして食べてみましょう。
少しの気付きでゴミが減り、栄養が摂れます
捨てることが当たり前になっているから、特に意識することがなかった。それ、まだ食べることが出来ます。
そして食べられるだけでなく、もしかしたらその捨てていた部分は栄養価が高かったり、美味しい部分かもしれません。
捨てていた部分の価値や活用方法に気付いて頂けたら幸いです。
ブロッコリー
茎も食べるというのは一般的になりつつあると思います。茎は捨てがちですが、花を咲かせるための栄養があり、茎の表面を薄くピーラーで引くだけ、もしくは茎を縦半分に切り、ラップをして500Wで2分程度電子レンジでチンするだけで簡単にむけます。薄く輪切りして素揚げにすれば、皮もむかなくても大丈夫です。
スイカ
赤い部分を食べ終えたら、硬い緑色の外皮だけを薄くピーラーでむき、白い部分は残します。塩漬けや醤油漬けなど美味しい漬物になります。
ニラ
ニラの根元を大きく切るのはもったいないです。根元の部分を少し切るだけで大丈夫です。根元は味と香りが一番強い所で、しかも葉よりも栄養が豊富にあります。包丁でニラを切ると酵素の働きで、強力な抗菌・殺菌効果がある「アリシン」が生成するので、根元部分は細かく切れば切るほど酵素が働き、アリシンがたくさん摂れます。
シイタケ
シイタケを料理に使用する時、傘の部分を使うことが多いので切り落とした軸の部分はそのまま廃棄することが多いですが、軸の部分には旨味がたっぷり詰まっている上、ビタミンDや食物繊維などを含んでいます。手でほぐしたり細切りにして、きんぴらや味噌汁の具などに合います。「石突き」と呼ばれる軸の根元の黒い部分は、樹皮やおがくずなどが混じっていることもあり、硬くて食べることができないので切り落とします。
軸自体に個体差もあるので、堅そうならば食べなくても大丈夫です。
エノキタケ
エノキタケ、ざっくり切り落としていませんか? エノキタケを袋から取り出し、見てみると線が入って段差のようになっている部分があります。“ココで切り落としてください”っていう印ではなく、栽培する時についた容器の線なので切り落とす線と間違えないようにしましょう。切り落とす場所は、根元の色が変わっている石づき部分です。石づきの部分をとり除き、軸を2-3cm程度の厚さに切ってください。焼いてバター醤油で味付けするとステーキになります。
ナス
ナスのヘタを取る時、ヘタを丸ごと切り落としていませんか?ヘタは硬い部分だけを切れば、ヘタの下も食べることが出来ます。むしろ栄養があって美味しいです。
キャベツ
キャベツの芯は、捨ててしまいがちな部分ですが、キャベツの芯には葉の約2倍のカリウム、カルシウムが含まれています。芯には葉よりも栄養や甘みがあるのは、キャベツが成長するため葉から芯へ栄養が送られているので、芯が栄養の貯蔵庫になっているからです。芯の底部と維管束がある茶色い部分はにおいが少しあるので、芯の下2㎝ほどはカットすると大丈夫です。硬さを活かしてきんぴらなどにすると良いです。
里芋
「里芋は、皮ごと食べることが出来る」って聞くと、 “エッ―”ってなりますよね。食感をよくするためにひげ根を取り、汚れなどは洗ってとり除きます。茹でるかレンジで柔らかくしてから揚げ焼きや、唐揚げのように揚げてしまうと、皮がパリパリになって香ばしく、中はホクホクでより食べやすくなります。里芋は皮に近い部分に最も栄養があり、水溶性食物繊維でぬめり成分の一つの「ガラクタン」も皮の部分に多くあるので、皮付きのまま食べることで多くの栄養を摂ることが出来ます。
トウモロコシ
トウモロコシの芯は、トウモロコシご飯を作る時に、一緒に釜の中に入れてご飯を炊くと、芯からもグルタミン酸などの旨み成分や甘みがたくさん出ます。トウモロコシのひげも、高温の油で揚げると、ひげがパリパリとした香ばしい味わいになって、食感がとてもいいですし、お茶にしても美味しいです。
レンコン、カボチャ、大根、ニンジン
レンコン、カボチャ、大根、ニンジンなども皮と実の間に栄養があります。
だからできるだけ皮をむかないで野菜を食べましょうといわれています。皮には栄養があるのですが、大量に栄養があり、なにか劇的な効果があるという訳ではありません。皮をむいた場合と、むかない場合を比較した場合、皮をむかない方が栄養を多く吸収できるというのは、野菜の皮の働きを考えると分かりやすくなります。野菜の皮をむく場合、野菜に含まれている栄養素が流れやすくなりますが、野菜の皮をむかない場合、皮が野菜の水分や栄養が流出するのを守っています。皮には栄養が含まれているだけではなく、皮をむいた場合、流出する栄養を流出させないという見えない働きが大きいのです。
【SDGs 食品ロス 完結編】国産野菜・果物のススメ へ続く
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【SDGs 食品ロス 完結編】国産野菜・果物のススメ
野菜の捨てがちな部分を食べてフードロス削減へ