青森県の野菜・果物
2022.12.26
本州の最北端にあり、八甲田山を挟んで西の日本海側には世界遺産の白神山地や津軽半島、東の太平洋側には下北半島、津軽半島と下北半島に囲まれた陸奥湾。同じ県なのに、奥羽山脈の西側と東側で気候が異なる青森県は地域特性のある農業が盛んで、リンゴ、ニンニク、ゴボウの生産量は日本一です。
青森のリンゴ
青森県の冷涼な気候がリンゴ栽培に合い(リンゴにきれい色がつくには寒さが必要)、国内で生産されるリンゴの6割を青森県で生産されます。
明治4年(1871)、北海道開拓使が西洋リンゴの苗木をアメリカから持ち帰り、明治8年(1875)春にそのうちの3本が青森県にきました。青森県庁構内に栽植されたのが青森リンゴの始まりです。翌年には数百本もの苗木を篤農家に配布し、北海道からリンゴ栽培の技術者の指導も受け、青森県でリンゴ栽培が盛んになりました。その後昭和23年に「りんご課」を設け、県を挙げて病害虫対策や新品種開発に取り組まれています。
ニンニク
全国の約7割近くのニンニクは青森県のニンニクです。青森の厳しい寒さに耐え、凍らないようにニンニク自身が糖度を蓄えるためおいしくなります。1粒1粒が大きくて身がしまっている「福地ホワイト六片種」は福地地区で栽培されていた在来品種で、輸入される海外のニンニクに比べて高値ですが、品質の良さと美味しさで人気のニンニクです。
ゴボウ
全国の4割近くのシェアがある青森のゴボウ。特に三沢市周辺の三八地域、上北地域が主な生産地です。太平洋に面する三沢市は、夏に冷たく湿った北東風(やませ)が吹きつけ一般的な野菜にとっては影響が出てしまいますが、根菜類であるゴボウは北東風(やませ)の影響を受けにくいだけでなく、寒さに耐えるために糖度を上げ、おいしいゴボウになりました。「柳川理想」という品種は白く、やわらかい食感が特徴のゴボウです。ローム質火山灰の土壌でゴボウが真っ直ぐに育つことも好条件です。
ナガイモ
生産量トップクラス(1位北海道、2位青森)のナガイモは、青森で誕生した首が短く肉付きの良い「ガンクミジカ」という系統や品種が流通しています。色白で粘りが強く、柔らかい肉質とアクが少ないのが特徴です。秋掘りと越冬後の春掘りがあり、秋掘りはみずみずしく、春掘りのものは寒い冬を乗り越えて味がしっかりと乗っています。
嶽きみ(だけきみ)
岩木山(津軽富士)にある「嶽(だけ)高原」で栽培、収穫された甘みの強いトウモロコシを「嶽きみ(だけきみ)」と言います。「きみ」は津軽弁でトウモロコシのことを言います。「嶽(だけ)高原」は昼夜の温度差が大きく、岩木山の噴火により形成された火山灰土壌によりおいしいトウモロコシが育ちます。