奈良県の野菜・果物
2023.02.26
地域の歴史・文化を受け継ぎ、特徴ある野菜を「大和の伝統野菜」として選定しています。また、「なら食との農の県民会議」を設立し、「奈良のうまいもの」や特産物を推進しています。これらの農作物を活かした「魅力ある食と農」に関する様々な取り組みを行っています。五條吉野地域は柿と梅の全国屈指の山地です。
協 力 : 奈良県庁 豊かな食と農の振興課
画像協力 : 奈良県庁 豊かな食と農の振興課
目次
- 1ウメ
- 2すいか
- 3刀根早生 (とねわせ)
- 4富有
- 5御所柿 (ごしょがき)
- 6アスカルビー
- 7古都華
- 8珠姫
- 9奈乃華 (なのか)
ウメ
五條市西吉野町では南北朝時代に主に観梅用として栽培されていました。賀名生梅林 (五條市)、月ヶ瀬梅林 (奈良市)、広橋梅林 (下市町)など奈良県には梅の名勝地がありますが、これらの場所は美味しい梅の産地でもあります。奈良県では「鶯宿 (おうしゅく)」、「白加賀」、「南高(なんこう)」といった品種が栽培されていて、梅酒や梅干しに加工されます。また、五條市西吉野の在来品種「林州 (りんしゅう)」は実がとても柔らかで潰れやすいため、現在あまり栽培されていない希少な品種です。
すいか
すいかの本格的な栽培が始まったのは、明治時代以降です。そのきっかけになったのは、奈良県生まれのすいかでした。当時アメリカから導入されていた「アイスクリーム」という品種と奈良県の在来種「権治」が自然交配、それを「大和すいか」として売り出しました。それが評判となり、大正12年に奈良県農業試験場で本格的な育種が始まりました。奈良のすいか栽培で忘れてはいけないのが、今のすいかの元祖になる「富研号(ふけんごう)」の誕生です。すいか業界で初めて農林省種苗名称登録されたすいかです。現在国内で流通しているすいかの大半は奈良県で育種された種から栽培されたものなのです。
刀根早生 (とねわせ)
奈良県天理市の刀根氏が発見。種なし柿の平核無(ひらたねなし)の変種、平核無よりやや大きめで、果肉はかたくなく、柔らかすぎでもなく、程よい食感です。平核無よりおよそ半月ほど早く収穫出来、9月くらいに流通します。
富有
富有柿は完全甘柿の一種で、収穫してすぐはサクサクした食感、少し時間が経つとトロっとします。果肉は甘味が強く繊密でとろけるような柔らかさで、且つジューシーです。
御所柿 (ごしょがき)
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」と詠んだ正岡子規が好んで食べていたと言われるのが「御所柿(ごしょがき)」です。御所柿は奈良県御所(ごせ)市の原産で、世界で多く栽培されている「富有柿」など完全甘柿のルーツにもなっています。
アスカルビー
「アスカルビー」は、奈良県生まれの“アスカ” 光沢のある赤色が宝石の“ルビー”を思わせることから付けられた名前です。果実は比較的大きく丸っこい形です。香りがよく、果肉はややかためですが、ジューシーで、程よい酸味が甘さを引き立てます。
古都華
古都・奈良の新しい「華」になることを願いつけられた名前です。果皮はツヤのある赤色で香りが強く、糖度も酸味も高めでバランスがよく、濃厚な味わいのいちごです。
珠姫
「アスカルビー」と「古都華」に続く新ブランドいちごが「珠姫 (たまひめ)」です。卵型で粒がかなり大きく、果皮、果肉ともにオレンジがかった赤色です。酸味が少なくさっぱりとした甘みのいちごです。
奈乃華 (なのか)
「奈乃華」は2020年に登録出願されたばかりの奈良県オリジナル新品種です。粒は大きく、果皮は光沢があります。甘みは強く、酸味とのバランスがとっても良いいちごです。