香川県の地野菜・伝統野菜

2023.03.06

まんば

まんばのけんちゃん

香川の冬を代表する伝統野菜で、高菜の一種です。霜に強く、葉を取っても次々と出てくるため、県東部では「万場(まんば)」県西部では「百華または百花(ひゃっか)」と呼ばれるようになりました。寒くなるほど柔らかくなり甘味が増します。四国八十八カ所を巡拝する四国巡礼の接待用うどんの上にのせて振る舞っていました。

まんばのけんちゃん

「まんばのけんちゃん」は、冬になると度々食卓にのぼる昔ながらの郷土料理です。刻んだまんばと薄揚げ、金時人参、豆腐を炊いたもので、県の西部では、豆腐が雪のように見えることから「ひゃっかの雪花」とも呼ばれます。

“けんちゃん”とは、「けんちん汁」の「けんちん」がなまって「けんちゃん」といわれるようです。独特の辛みと高菜特有のえぐみがあるため、アク抜きをしてから調理します。

葉ごぼう

香川県では古くから葉ごぼうが食べられており、「春を呼ぶ野菜」として親しまれています。長い茎、短い根、大きな葉の全てを食べることが出来ます。独特の爽やかな香りと特有のシャキシャキとした歯触りが特徴で、特に香川産は根も茎も繊維質が柔らかいとわれています。天ぷらやごま和え、油揚げやシイタケと一緒に煮て食べることが一般的です。天ぷらの際、葉は少し苦味がありますが、気になる場合は二度揚げすると苦味が気になりません。

香川本鷹 (とうがらし)

一度は途絶えたとうがらしの一種で、最高品種のとうがらしといわれています。塩飽(しわく)諸島の手島(てしま)で栽培されています。大きさは7~8センチあり、一般的な「鷹の爪」と比べて約2~3倍もの大きさです。上品な香りと強い辛味が特徴です。丸亀沖に浮かぶ島々を中心に活躍した塩飽水軍が、朝鮮出兵の際に豊臣秀吉から戦利品として拝領され、香川県最古の特産農産物の一つとして伝えられています。

金時にんじん 

あん餅雑煮

香川県は金時にんじんの生産量日本一で、主に瀬戸内海に面した坂出市、観音寺市などで栽培されています。金時にんじんの長さは30センチ前後、甘みが強く、肉質はやわらかで、芯まで鮮やかな紅色をしているのが特徴です。

あん餅雑煮

香川県東部の平野部で食べられている「あん餅雑煮」。白味噌仕立ての汁に甘いあん入りの丸餅、「今年一年丸く収まりますように」や「家庭が円満に」の願いを込めて輪切にした大根、金時人参などを入れた雑煮です。砂糖は貴重品で、一般家庭ではなかなか食べることは出来ませんでしたが、年に一度、お正月の特別な料理として砂糖を雑煮に取り入れたのが、「あん餅雑煮」にはじまりといわれています。

三豊なす

県西部の三豊(みとよ)市で栽培される丸なすです。昭和初期に朝鮮半島へ出向いた三豊の農家が種を持ち帰ったのがはじまりといわれています。一般的な千両なすに比べて約3倍の大きさで、皮が薄く柔らかいです。果肉はみずみずしく柔らかいです。種は少なく肉質は緻密。甘くて、トロっトロのふわっふわで最高の味わいのなすです。

香緑、さぬきゴールド、さぬきエンジェルスイート、香粋、さぬきキウイっこ (キウイフルーツ)

香緑

さぬきゴールド

さぬきエンジェルスイート

香粋

さぬきキウイっこ®

“キウイといえば香川”

香川オリジナル品種として「香緑(こうりょく)」「さぬきゴールド」「さぬきエンジェルスイート」「香粋」「さぬきキウイっこ®」などがあります。※「さぬきキウイっこ」は、香川県と香川大学の登録商標です。

 

「香緑」は、細長い俵型が特徴です。酸味は控えめで甘みが強い品種です。

「さぬきゴールド」は、世界最大級の大きさと黄金色の果肉が特徴。糖度が高く、メロンのような食感です。

「さぬきエンジェルスイート」は、熟すと種の周囲が天使の輪のように赤く色づくので、この名前が付きました。糖度が高く、和三盆のように甘いのが特徴です。

  「香粋」は、一口サイズで甘みが強いのが特徴です。

「さぬきキウイっこ」は、実が小さくブドウのように果肉を押し出して食べることが出来ます。

小原紅早生 (おばらべにわせ)

果皮の色が紅色の温州みかんです。国内で栽培されている約100品種のみかんの中で最も紅いといわれています。坂出市では「金時(きんとき)みかん」と呼ばれています。果皮は薄く、ジューシーで、強い甘みとほのかな酸味があり、味の濃いみかんです。糖度12.5度以上のものは「さぬき紅(べに)」、11.5度以上は「金時紅(きんときべに)」というブランド名が付き主に贈答用などに利用されます。

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