長野県の地野菜・伝統野菜 1
2023.04.08
目次
- 1源助蕪菜・飯田かぶ菜
- 2飯田冬菜
- 3稲核菜(いねこきな)
- 4野沢菜
- 5羽広菜(はびろな)
- 6松本一本ねぎ
- 7小布施丸なす
- 8ていざなす
- 9開田きゅうり
- 10清内路きゅうり(せいないじきゅうり)
- 11赤根大根(清内路蕪)
- 12八町きゅうり(はっちょうきゅうり)
- 13清内路かぼちゃ
- 14沼目越瓜(ぬまめしろうり)
- 15本しま瓜
- 16御牧いちご
源助蕪菜・飯田かぶ菜
飯田・下伊那地域で栽培されているカブ・ツケナ類です。野沢菜の仲間でよく似ていますが、葉質は柔らかでもちもちしています。漬ける時に柿の皮を一緒に漬け込む「源助かぶ菜」の漬け物はあまり流通していませんが、地元を中心に人気のある漬物です。
飯田冬菜
長野県飯田市吉政地区で栽培されている冬菜です。 葉身はやや短く、葉の切込みがあります。少しほろ苦さがあります。初冬に漬物にすることが多いですが、菜花なので春先にトウ立ちした柔らかい花茎を食べても美味しいです。
稲核菜(いねこきな)
松本市安曇地区の稲核(いねこき)集落で栽培されています。「野沢菜」「羽広菜」とともに信州三大漬け菜の一つです。葉はやや繊維質でかためですが、歯ごたえがあり、菜漬けやかぶ漬けに人気があります。
野沢菜
野沢温泉村で栽培されてきたことから「野沢菜」と名が付いた漬け菜です。野沢菜を漬けた「野沢菜漬け」は、広島の「広島菜漬」九州の「高菜漬」と並び、日本三大菜漬とされています。大きなもので1メートルにもなります。霜が当たると甘く柔らかくなるため、寒くなるのを待ってから収穫されます。豊富な温泉の湯を利用して野沢菜を洗う「お菜洗い」は信州の晩秋の風物詩です。
羽広菜(はびろな)
伊那市発祥の蕪菜の一つです。葉は浅漬けなどにして食べると、野沢菜漬けのようでおいしいですが、この野菜は根部のかぶの部分がさらにおいしいく、地元では酒粕と味噌を使った漬物にして食べられます。
松本一本ねぎ
松本市岡田地区で江戸時代から栽培されてきたねぎです。徳川家御用達のねぎとして評判になり、関東地方や中京地方へ贈答品として珍重されました。苗を越冬させた後、お盆頃に植え替えをする栽培方法に特徴があり、白い部分が曲がったねぎになります。長さが90センチ以上あり、白い部分が40センチ前後あります。煮込むと甘く、とろけるような食感です。馬肉を使った郷土料理「桜鍋」に欠かせないねぎです。
小布施丸なす
明治時代から上高井郡小布施町で栽培されていた丸なすです。大正時代に北信地方で広く栽培されていました。比較的大きい巾着型で肉質は緻密、アクが少ないので生で食べることも出来、締まりがあるので煮崩れしにくく、煮物や揚げ物、焼きなす、漬け物何にでも合います。この地域の郷土食「おやき」の具にも使われます。
ていざなす
天龍村神原地区の田井澤久吉さんが、種子を東京から取り寄せて明治20年(1887年)頃から栽培し始めたのがこのなすの起源といわれています。田井澤さんの名前にちなんで「田井澤なす」と呼ばれ、後に「ていざなす」になりました。長さ25センチ、重さ400グラム以上にもなり、水分をたっぷり含んで甘味があり、果肉がやわらかなため、焼くとトロトロになりおいしいです。
開田きゅうり
木曽町開田高原(旧開田村)を中心に栽培されてきたきゅうりです。半白系の品種で、肩部が濃緑色、尻部にかけては淡緑色になっています。
清内路きゅうり(せいないじきゅうり)
清内路村(せいないじむら)は、中央アルプスの南端に位置する中山間地域で、長野県下伊那郡の西部にあった村です。2009年3月31日、同郡阿智村に編入され、現在は阿智村清内路地区になります。清内路村では自家採取を受け継いできたため、伝統野菜が多く残っています。「清内路きゅうり」は、25~30センチの長さのあるきゅうりで、果皮が厚く種子数が多いのが特徴です。生食の他、「赤根大根」と合わせた漬け物として食べられています。
赤根大根(清内路蕪)
「赤根大根」という名前ですが、赤カブです。見た目が、赤い大根に見えるので「赤根大根」として受け継がれてきました。肉質が柔らかく、甘酢漬けやサラダなどで食べます。「清内路きゅうり」と一緒に漬け合わせるものが有名です。
八町きゅうり(はっちょうきゅうり)
須坂市八町のきゅうりです。長さ20センチ程度で、ずんぐりとした形が特徴です。果皮は薄いのですが、薄いがゆえに傷つきやすく、日持ちしにくいです。種子数は少なく、パリっとした歯切れの良さがあります。瓜系の独特な風味があり、甘みも感じます。
清内路かぼちゃ
見た目がハート型のかぼちゃで、とても甘みが強く、水分が少なくホクホクとした栗のような食感です。清内路では、冬至に(夏に収穫し)貯蔵していた清内路かぼちゃを神棚にお供えしてから煮て食べる風習があります。
沼目越瓜(ぬまめしろうり)
「沼目越瓜」は、須坂市沼目地区で栽培されており、皮が薄くコリコリとした歯ごたえのあるウリです。江戸時代から漬物用として栽培され、おもに粕漬けに加工されます。
本しま瓜
飯田市など、南信地方で栽培されている縞ウリで、小型で1個400-600gくらいの重さです。肉厚でパリッとした歯ごたえがあり、みそ漬けや粕漬けにして食べます。
御牧いちご
“幻のイチゴ” ともいわれる小諸市で誕生した「御牧いちご」。御牧ケ原という場所で野生のいちごの群生が見つかり、この野生のいちごは長野県農事試験場によって御牧ヶ原1号、2号と名付けられ、全国の試験場で行われる品種改良の親株となりました。「いちご農林1号(春光)」の親にもなりました。それで御牧ケ原は「日本でいちばん最初にいちごの生産が始まった地」といわれています。